「彼女?」


倉田くんがすっとんきょうなリアクションをとった。

「だってさっき追っかけてた子って……覗き見する気なかったけど…バイト帰りにたまたま見ちゃった…」

「……あれ妹だよ」

「え?」


あたしの勘違い?


「妹とケンカして……アイツ家飛び出していったから追っかけてたんだよ」

「……」

「そもそも俺、彼女いないし」

「ホント?!」


倉田くんはうなずいた。



……なんだ。よかったぁ。

って何がよかったのよ!


彼女がいないからってあたしと付き合える訳ではないのに……!