詩織は俺の目を見た。 真っ直ぐな瞳だった。 「あたしのお兄ちゃんでしょ?しっかりしてよ」 「詩織…」 「あたしも根に持ちすぎたと思う。ごめんなさい」 詩織は優しく微笑んだ。 「あたしお腹すいちゃった!早く帰ろうよ!」 「あの、ユウくんは……」 「大丈夫だよ。ユウくんはそんなんであたしのこと嫌いになんないし、そんなこと気にする人じゃないし!あたしの大事な人だもん!」 「……っ、ホント、ダメ兄貴でゴメンなぁっ……」 「やだ泣いてるの?やめてよぉ」 詩織は無邪気に笑った。