楓 ―KAEDE―




「…きゃ~っ!!可愛い樹~!!」

そう大きな声のハルカに、
最初はカエデもビックリしてたけれど、

すぐにお友達になった。


俺様が、
ちょびっとジェラシーよ?




「可愛いお手てだね?」

ハルカが、
そう言って手にしたのは、

根っこに1枚あった、
カエデの「赤い葉っぱ」。



「…お手て?」

俺様、
自分の手を見てみる。


ぷにぷに。
ぷにぷにぷに。

俺様の黒いお手ては、
ちいさな肉球のついたお手て。


ずいぶん、違うのね?


俺様のお手ても、
ぷにぷにで可愛いけれど。

カエデの赤いお手ては、
もっと可愛いのね?


俺様やっぱり、
ちょびっとジェラシーよ?