「おまえに 家庭教師のつけようと思う」

「…私に、ですか?」


突然呼び出され、父の執務室で告げられた連絡事項。


私と並んで父の前に立つ男を見上げる。


柔らかな髪を金色に近い茶髪

長めの前髪から覗く色素の薄い瞳

綺麗に通った鼻筋

そのすぐ下に少しだけ厚めの唇


そのパーツ全てで余裕の笑みを顔に貼り付けた男


そして必要以上にひらかれた前襟

このような場にも拘わらず両手をズボンのポケットに入れたままの態度


「家庭教師?この男にそのようなモノ務まるとは思えませんが?」