私の背中には壁があり
目の前には蓮の顔
横に逃げようとしても
足の間に蓮の足があって動けない
「さっきからどうしたの?
私に恨みでもあるの?」
気づけば私はそんなことを口にしていた
それを聞いた蓮は深いため息をついた
「そんなにため息ついたら幸せが逃げ…」
「お前はちっとも分かってない」
言葉を遮られて唇に柔らかい感触
一瞬なにがなんだか分からなくなった
でも、気づいた時には蓮を押し返していた
「な、な、なにを…」
喋りたいのに上手く喋れない
「ごめん、我慢できなかった
今のは忘れて今まで通り接してくれ」
そう言い残して蓮は運動場の方へと戻っていった
私はその場に座り込んでしまった
「い、今のって…」
キス…だよね
今まで通り接してくれって…
今の私にそんなことできるの…
遠くなる蓮の背中を見つめ、高鳴る鼓動と
まだ唇に残っている熱をさげようと
必死になっていた


