「‘嫌い’って感情は‘好き’に最も近い感情だよ、横山奏」
私がこの場所に初めて足を踏み入れたとき、あなたは愛を囁くようにそう言った。
嫌い、
嫌い、
嫌い。
今日も心の中で唱えて、ドアノブに手をかける。
奥の席にはあなたがにこやかに座っている。
嫌い。
大嫌い。
そうやって口角を吊り上げたような微笑みと、なにもかも見透かしたような瞳。
「私、向井先輩のこと大嫌いです」
「今日も熱烈な愛の言葉をありがとう」
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