って、ま満足してる場合じゃないよ!

体育館の出入り口はひとつ。

ってことは、そこに白糸くんのファンの子が集まっちゃったら白糸くんが体育館からでられなくなっちゃうよ。

あたしも経験あるからその大変さがわかるけど…

女子の壁って、結構強いんだよね…。

「白糸くん。ここで騒がれると面倒だから早く体育館方がいいかもよ。」

「うん。そうだね。じゃあ、一緒にきて?」

うん。

って、ええ?!

一緒って、誰と誰が?!私と白糸くん?!なんで私?!

戸惑う私を無視して、白糸くんは手を握った。

「いくよっ。」

そう言って振り向いた白糸くんの顔は…


格好良かった…。


子供のように無邪気に笑う白糸くん。


まるで、イタズラをする前の笑顔みたい…。


どきん。

どきん。


あ…また。

ふわふわする。


“女騎士”って…

私、そんな無敵のハートってわけじゃないし。

ふつうにかわいいもの好きだし、

小さい頃にかってもらったぬいぐるみとか未だに捨てられなくってベッドにはぬいぐるみの村ができてるし。

“女騎士”だって…



“女”なんだよ?