「ちゅっ…」



柔らかな感触が頬をなでる。

「え?」

反射的に顔を背けるとそこにはいたずらっぽく笑う白糸くんがいた。

一気に体の体温があがる。


「いいいいいいいいいいいまっっいっまっ。今!」

声が裏がえった。恥ずかしいけど、もっと恥ずかしいことが、今さっき起こっちゃったから気にしない。

「かわいいなぁ。碧ちゃんは。」

そう言いながらぺろりと唇を舐める。

「白糸く…んぐっ」

白糸くん、どうしたの?

そう言おうと思ったのにその先は白糸くんの大きな手に遮られてしまった。


「…やだ。“白糸くん”なんて他人行儀。
翔ってよんで?」

白糸くんは腰をかがめて顔をのぞき込んでくる。


「えっと…ち、ちかいよ…」

白糸くんの顔は私の目の前。

後ろに下がって距離をとりたいけど…(このままだとドキドキして息ができないから。)

私の後ろは壁。


「?近くないよ?さっきキスしたときはもっと近かった。」

そう言いながらどんどん近づいてくる。

「また…する?」

耳元でそっとささやかれた。

ふわり、と甘い匂いがする。

「ちょっ…白糸くん?!どう…したの…?」 

本当にやばい。くらくらする。

息ができないよ。

白糸くんは人差し指をそっと私の唇に当てる。

えっ?なに?しゃべるなってこと?

「次はここに」

そう言って微笑む白糸くん。

次って…き…キスのこと?!

ここって…く…ち、びる?

「する?」

首を傾げてそんなこといわないでっ!


もう無理…


恥ずかしすぎる…。