「……ふぇ?え?…こ、これはどういう事なの!?」
それを見た神無は、驚きの光景に思わず目を見開いた。
「だって、さっきの…太一君を屋上から見下ろす時の清良の目、殺し屋さんみたいに怖かったのに!」
「……。清良、本当か?」
「だ、だって……太一がモテモテなのって、やっぱり妬けるし…」
「いやっ、あれは不可抗力だろ!なんかよく分からないけど、この学校の伝統らしいし!」
「それでも、嫌なものは嫌っ!」
「そうは言ってもなぁ……」
「……あんなぁ、お二人さん。僕らを置いて勝手に話を進めんでもらえます?」
「「…………あ」」
密着したまま痴話喧嘩を繰り広げる二人は、周囲の困惑の表情に気付くとすぐに姿勢を正した。
そして、互いの顔を見合わせると
「「……お騒がせして、すみませんでした!」」
そんな言葉と共に、二人揃って頭を下げたのだった。

