「ど、どうしたの?」
まりあがオーリィに声をかけると、オーリィはとびっきりの笑顔でまりあの方へ向き直った。
「せやから、席替えや!」
「席替え…が、何?」
「もしかしたら『under』の書いてあった校章って、昨日まで『現・まりあの席』に座っていた人に送られたんちゃうかな!?
にも関わらず、昨日は席替えが行われてしまって…」
「……その結果、席替え前『現・まりあの席』に座っていた…『薔薇』を受け取るはずだった人間ではなく、まりあが『薔薇』を受け取るハメになった。
そういう事か?」
オーリィの言葉を引き継いだ瑛が確認すると、オーリィは笑顔のまま大きく頷いた。
――つまりは、こういう事だ。
元々『under』と書かれた校章は、席替え以前『現・まりあの席』に座っていた人物に渡されるはずだった。
しかし昨日、急にクラスで席替えが行われてしまった。
その結果、『校章を受け取るはず』だった人の席にまりあが座る事になり。
校章を置いた人は、席替えの事など何も知らないまま、校章をまりあの席に置いてしまった――と。

