「それだと、薔薇の後ろに『under』って書いた人への手掛かりはゼロだね…」
「……あぁ、そうだな」
瑛は相槌を打ちながら、笑いながらそれを聞いているオーリィを鋭く睨みつける。
…と、その時
「…………そういえば」
説明の後にずっと口を閉じていた龍真が、ふと顔を上げた。
「これは参考になるか分からないが…俺は『薔薇』を席に置く時、少し戸惑ってしまった」
「ふぇ?戸惑った…?」
「あぁ。昨日クラスで席替えが行われただろう?だから、本当に神無の机の上に『薔薇』を置けたのか…少し不安だった」
「あぅ…確かに」
その言葉を聞いた神無は、自分も今朝、席の場所に自信が無かった事を思い出した。
……と、考えたところで。
「……あーッ!それや、それ!!」
突然、オーリィが大声を上げて手をポンと打った。
その表情は、まるで無邪気な子供のようにキラキラと輝いている。

