「龍真……?」 普段よりも強引な龍真にドキドキしながら、静かに問い掛ける神無。 そのまま、沈黙する事数秒―― 「俺が校章の数を知っていたのは、安城の机の上に校章一つが置いてあるのを見かけたからだ」 「ふぇ?それっていつ、」 「――今朝、お前の机に『薔薇』を置いた時」 「………え?」 ボソリと呟かれた龍真の言葉に、神無は思わず目を見開いた。 『それって……もしかして』 その意味を理解した瞬間…期待と不安で、心臓がドクドクと脈打ち出す。