「何か知ってる、とは……?」
疑問に思ったらしい瑛が、眉を寄せて神無に問う。
すると、その言葉にいち早く反応したオーリィが
「龍真は、『薔薇』の正確な個数をあらかじめ知っとったんよ。何故か」
そう言うと、肩を竦めてみせた。
――…今朝、神無とまりあは教室に一番乗りだった、と言っていた。
そして、その教室から出て、しばらくしてから帰ったら薔薇が無くなっていた。クラスメイト達は『薔薇』の存在すら知らなかった風だった…とも。
――その状態で、『薔薇』の個数を正確に把握している人間がいるとしたら。
「……まさか、お前が
『薔薇』を持ち去った犯人…?」
推測と共に零れた瑛の言葉に、龍真はビクッと肩を揺らした。

