全員が怪訝な顔をする中
「あのっ、回転寿司とかで食べてる時、好きなネタが気付かないうちに後方へ流れていたら悲しいし、悔しいですよねっ?」
頬を上気させ、必死に例え話を瑛へ伝えようとする神無。
「いや…俺は回転寿司に行った事が無いから分からな、」
「悲しいんです!」
「……そうか」
その気迫で、無理矢理瑛を頷かせる神無。
「という訳で!先輩は今、特上ネタ…もといまりあを追いかけないと、後で後悔するんです!」
「いや…その論理はおかし、」
「す、る、ん、で、すっ!」
「…………そうか」
色々と理不尽なものを感じながら、瑛は大人しく口を閉じた。
長年の経験が言っている――この天然娘の言葉に、これ以上反論すると面倒くさい事になると。
ちなみに…自分の親友を寿司のネタ扱いしている事に、神無自身は気付いていない。
それもまた、神無の『天然』がなせるワザなのだった。

