「……それがどうした?」 理解できない。 安城が誰かと付き合う事が、俺にとってなんだというんだろう。 「……どんだけ鈍感なんや」 その言葉から、 瑛が本気で言った事を悟ったらしいオーリィは溜め息をつくと、少しの間俯いた。 だが。 「話はそれだけ、……っ!?」 そう言った瑛が、自分の席へ戻ろうとした途端――… 「……なら、まりあを僕がもらっても先輩は文句言わへんよね?」 オーリィが、顔を上げた。 今まで一度も見た事のないような 冷たい微笑みを、張り付けて。