それに気付いた神無は、おずおずと清良に声をかけた。 「あぅ……清良?」 「……っ!!」 話しかけられた清良は、一瞬びくっ!!と体を強張らせると、ゆっくりと神無の方へ顔を向けた。 そのまましばらく視線をさ迷わせていたが、やがてぎこちない笑顔を作ると 「わっ……私、図書館に行かなきゃいけなかった!!」 そう言って素早くフェンスから身を離し、自分の弁当箱を抱えて屋上から出て行く。 残された5人は、その華奢な背中が視界から消えるまで見送ると 誰からともなくため息をついた。