『大変だなぁ、二人とも……』 ファンクラブ等に全く興味の無い神無は、未だ立ち往生する二人に心の中でエールを送ると、視線を上げた。 そのまま何気なく、右隣の清良の表情を見て 「――――ッ、」 絶句した。 何故なら、いつもは活発な印象を与える清良の目が…… 憎悪のような どす黒い感情を宿していたから。 ……その視線の先には、困ったように頭を掻きむしる太一の姿。