神無は、思わず目を見開いた。 何故なら、そこには ――何も書いていなかったから。 「……あれれ?」 神無は校章から視線を外すと、机の中やその周りを見はじめた。 『もしかして、裏じゃなくメモか何かに書いたのかも……』 ――しかし、どれだけ探してみてもそれらしき物は見つからない。 『あぅ…どうしよ……』 困り果てた神無がため息をついた、その時―― 「………なにこれ」 神無と同じく校章の裏を見たまりあが、眉をひそめて呟いた。