決まった・・・・・・と思った。
のに
「・・・・・ワタシは『すごく』なのに」
広瀬には決まってなかったらしい。
ソコ??! オレが敢えて広瀬を名前で呼んだくだりはどうでもよくて!??
「千夏がキスしてくれたら『すごく』好きになるカモ」
もう一度『千夏』と呼んでみる。
「・・・・・・ホントに??」
広瀬が潤んだ瞳をキラキラさせながらオレに近づいてきた。
そして
-----ぶちゅう。
広瀬に、ベッチャベチャなキスをされた。
「・・・・・・・ヘタクソがッッ!!」
今時、小学生でももっと上手くキスするわ!!
なかなかの衝撃。
「・・・・・だって、自分からする事ってあんまりなかったんで・・・・」
なんなんだよ、その言い訳は。
「・・・・・だったら、この前みたいにもうちょっと遠慮がちにしろよ。 こんだけヨダレつけていいのは精々2歳までだぞ」
「・・・・・・好きさ余っちゃたんですよ!! しょうがないじゃないですか!!」
そして、かわいすぎる逆ギレ。
「つーか、オレがさっきから広瀬を『千夏』って呼んでる事を何故シカトする」
「え!?? だってこっちは告白したりキスしろって言われたりで、いっぱいいっぱいなんですよ!! そんな事にかまってらんないんですよ!!」
・・・・・・そんな事じゃねぇだろーが。
そんな言い方されると、『そんな事』を気にしてるオレが小さい人間みたいじゃねぇか。
・・・・・・千夏・・・・・・許さん!!
「『智樹の事が、すごく好きなんだ。 ワタシ』 ハイ」
「『ハイ』て・・・・・・まさかの言い直しですか??!」
「敬語もなし。 ホレ」
「『ホレ』て・・・・・・・」