広瀬が涙目でワケの分からない質問をしてきた。
「・・・・・一緒に泣きませんか??」
広瀬の変な質問が続く。
「・・・・『足が動かない事は、不便なだけ。 不幸な事じゃない』なんて言って患者を励まそうとする看護師や医師ってわりといるんですケド・・・・不便と便利を、幸不幸で分けたら、やっぱり『不便』は不幸に分類されちゃいますよね・・・・」
そして、看護師らしからぬ事も言い出した。
「苛立ったり、怒ったり・・・・・思う存分すべきだと思います。 でも、その分泣いた方がいいと思います。 歩けなくなるなんて、一大事です。 怒って当然、イライラして当然。 だから、当然の様に泣くべきです」
広瀬が、泣きながら持論を熱弁する。
「・・・・・最近、ちゃんと泣きました??」
「・・・・・・・」
広瀬は、オレを泣かせたいのだろうか。
「泣くとちょっと気分もスっとしますよ」
広瀬がオレの手を握った。



