「今日のリハビリは終了ですか??」
広瀬が車椅子のオレと視線を合わせようと、オレの目の前でしゃがんだ。
上から見下ろされるのも嫌いだが、これみよがしにわざわざじゃがまれるのも感に障る。
「・・・・・そう」
だから、返事もそっけなくなる。
「じゃあ、病室までお連れします」
広瀬が車椅子の後ろにまわった。
「シゴト終わったんだろ?? 別に1人で戻れるから結構」
広瀬の好意など、あっさり突っぱねる。
「『よいしょ』って言うくらい疲れてるくせに」
やっぱり空気の読めない広瀬は、オレの気持ちなどお構いなしに車椅子を押し始めた。
「・・・・・・」
もう、いちいち反応するのも嫌だ。
無言で広瀬に車椅子を押させた。



