リハビリを続けていると、瞬の携帯が鳴った。
仲間に呼び出されたらしい。
瞬は『じゃあ、また明日ね』と言って帰って行った。
また明日も来るのかよ。
・・・・・・なんか、瞬が羨ましかった。
片足を失っても卑屈にならなかった瞬には、仲間がいて楽しそうだ。
オレは、周りの人間を遠ざけてしまったから、オレの携帯はシゴト以外で鳴る事がなくなった。
・・・・・でも、今はまだ誰とも関わりたくない。
仲間と同じ様に動けない自分を見られたくない。
途端に、『車椅子に乗ってごはんですよを買いに行く』などという、自分の小さな目標が情けなくなった。



