………いたな。
小学校の時、こんなヤツいたわ。
女子と喋る男子を見ると、やたらニヤニヤするバカ。
瞬もその一味だったに違いない。
「………瞬ってさ、男のくせに恋バナ好きなタイプだろ??」
「トモってさ、恋バナめんどくさがるくせに、女のコ大好きなタイプでしょ??」
瞬の方が一枚上手だった。
広瀬も瞬を見習ってこんくらいの返しをして頂きたい。
そして、瞬の返しは当然図星。
「つーか、男なんてみんなそんなモンだろ」
「イヤ、トモほどギラついているヤツはオレの周りにはいない。 つか、大学にもいない」
瞬って、大学生だったのか……。
「オマエ、大学でモテモテだろ」
瞬はどうせウハウハな大学生活を送っているに違いない。
全身全霊で羨ましい。
「そりゃ、もう。 片足王子だからみなさん親切に接してくれますよー」
瞬が苦笑いを浮かべた。
………違う。
「両足あったって、みんな瞬には親切にしてくれてたよ。 オマエ、イイ奴じゃん」
「トモだってイイ奴じゃん?? チョコくれるし」
瞬は照れを隠すように、チョコのアルミを剥ぐと、アルミにべっとりついたそれを舐めた。



