一心不乱に練習をしていると、つまらなくなったのか瞬がリハビリルームを出て行ってしまった。
………と、思ったらポカリを持って戻ってきた。
「トモー、ちょっと休憩」
そう言って瞬がオレにポカリを渡した。
「さんきゅ」
確かに疲れた。
有難くポカリを頂く。
ちょうど喉が渇いていた為、一気に半分くらい飲み干してしまった。
あー、腹減った。
………そーいえば。
「瞬、一個やる」
ポケットに入れていた、広瀬から貰ったチョコを瞬に渡した。
「ドッロドロじゃん」
ポケットに入れたままだったチョコは、溶けかけと言うより、最早固形ではなくなっていた。
「それ、貰った時点で溶けてたから。 オレのせいじゃないから」
する必要もない、全くもって意味のない言い訳を言う。
「誰に貰ったの??」
「広瀬」
「ふーん??」
瞬が意味有りげに『ニヤッ』と笑った。



