ピーポーピーポー…
救急車のサイレンが聞こえた。
私達はお姉ちゃんを下まで運んで横にさせた。
ガチャ!
玄関が勢いよく開き、
「○○病院です!飯田律香さんは?!
「あっ、こっこちらです…!あの…」
玄関に一番近かった私が救急隊員を部屋へ通し、事情を説明する。
「…分かりました。とりあえず救急車で病院まで運びます。保護者か親族は?」
保護者……
そんなもの……
「…いません。私たち二人は施設で育ったので…。あの、義理ですが、妹の私が親族として同行してもいいでしょうか?」
なんだか、自分達は親がいない寂しい子だということを示した気がして、嫌になった。
「…大丈夫です。ではお願いします」
それでもやっぱり、妹としていたかった。
