「違うよ」
「何が違うんだ」
「私はユメ君のこと、要らなくなったりしない」
夢人は叶美の言葉の納得に苦しみ、首を傾げた。
「ユメ君は、他の人と違うの」
「他と違うって」
「ユメ君は、私がこの関係は終わりだねって言ったら、サヨナラって……。今までの人は、皆驚いて私を止めたのに」
ユメ君は止めなかった、叶美は呟いた。夢人はあの時、叶美の行動が何となく読めていたので驚かなかっただけだ。
「お前、何が怖いんだよ」
「怖い?」
「お前は、何か怖がっているだろう」
今までもずっと。
夢人は付け足して言うと、叶美の頬に頬擦りした。
「本命の彼女になるのが、怖い」
「本命の?」
「私自身がというよりも、誰かが、私の中で一番になるのが怖いの」
「……」
「私、本物の恋人になった時に絶対に干渉する。束縛する。それくらいダイスキになった相手に、もし浮気されたら……。傷付くのが怖い」
叶美は、夢人の頬に涙を擦り寄せた。
夢人の体温に、自身の恐怖を包容されるように。

