背徳性理論

 

夢人の部屋に、綾香も叶美も居ないという事実は、夢人に虚しさだけを残した。
自分から別れを告げたのだから自業自得とは言え、そこに後悔の波は押し寄せる。

夢人は勤務先のビルから出て、いつものように駅に向かった。アパートまでは最寄りの駅まで電車を利用している。

その夜夢人は定時に帰宅した。
二人との関係を断ってから、夢人はできる限りアパートにいる時間を減らすため、残業時間を増やした。しかし仕事内容にも限界があり、やむを得ず定時になる。

アパートの最寄り駅に夢人の乗る電車が到着し、夢人はぼんやりとした意識でホームから出た。