「サヨウナラ」
呟いたそれは、部屋に悲しく響いた。
叶美は部屋から立ち去り、その夜から二人は会うことがなくなった。
夢人もまた、叶美がいるかもしれないコンビニから足が遠退いていた。
叶美と関係を断ち切ると、とりあえず夢人は綾香と連絡を取ることに決めた。
直接会って気持ちを伝える度胸のなさに、さすがに自身で呆れてしまうが、もう会うこともないだろうと高を括って電話をかけることにした。
「もしもし」
「あぁ、綾香」
「うん、どうしたの」
いつもと変わらない、だけど叶美のものではない、綾香の声が耳元で染みた。
夢人は深く息を吸って、静かに言い始める。
「あのな、綾香」
「うん」
「……別れたい」
「……、」
夢人には綾香の驚愕した顔が、気持ちが手に取るように解る。
綾香はただ、絶句している。
「え、なに?……どういう、こと」
「悪い。別れてくれ」
「そんな、待ってよ。理由も聞いていないのに、そうね別れましょうなんて、わたしには言えない……」
「……」

