そこは自分の部屋だというのに、夢人は年下の彼女に誘導されたかのように、彼女と過ごした。
綾香とは違う肌、違う唇、違う声。
綾香とは違う、キス。
体は正直に震えた。
夢人は確信した。自分は早く、彼女とこうしたかったのか、と。
「……お兄さん、名前は?」
「あ、ごめん。夢人だよ」
「ふうん。……ユメ君か」
全く、小悪魔な女だと思った。
俺は名前を言う前に抱き寄せたのか、夢人はそんな自己嫌悪に襲われながら、行為後特有の気怠い睡魔に気分が良かった。
彼女の名前は「下沢叶美」。
叶美を抱き寄せて、夢人は深く息を吐いた。叶美がそれを、溜め息だと思わないように、慎重にゆっくりと。

