背徳性理論

 

それから、彼女は呆然とした夢人の手を放し、店の奥へ入っていってしまった。

早く帰ろう、そんな気持ちが急いて、夢人はコンビニから出た。それからコンビニの横にある自動販売機でミネラルウォーターを買い、カラカラに渇いた口内を潤した。

言葉が詰まる程に、渇いていた。
喉から、歯の裏側にかけて、彼女に触れたせいでだ。
 

「……」
「あ、」

 
ミネラルウォーターを、メロンパンの入った袋に入れて方向転換すれば、目の前に彼女は立っていた。

どうやらバイトを終え、コンビニ指定の制服から私服に着替えたらしい。
年下の彼女の、いつもより更になまめかしいその姿に、夢人は目を奪われた。

ああ駄目だ、まずい、これ以上は。夢人の脳内で警告音がそう知らせた。

しかし歩き出した夢人にそのままついて来た彼女を、夢人は部屋に迎え入れた。