《好きなんだ。付き合ってほしい。》

あの日の事は忘れない。
丁度、桜が咲き始めた5月頃。
鼻を春の匂い通り抜く。
6回目の告白。
正直、私のドコが良いんだろうと、疑問に思ってしまう。
《時間ください。》
ナゼか断る事が出来ず、先延ばし。
本当に私ってバカ。
《わかった、いくらでも待つから、俺。》
私なんかのために…と、検挙してみた。
いつもなら《ごめんなさい》。


ナゼか今は、時間がほしい。

それは私の家がイベント会社で、彼は取引先の大川商事の跡取りだから。