休み時間に涼介がどこかへ行ったのを
確認して私は沙弥に話しかけた。

「ねぇ、沙弥」

「ん?何?」

「相談というか…質問というか…」

「うん」

「私さ、涼介のこと見てると胸のところが
苦しくなったりするの。
何でかな…?」

沙弥はその質問にブハッと吹き出した。

「あははははははっ」

「ちょっ…笑い事じゃ…」

「そんなの決まってんじゃん。
恋だよ、恋!」

「恋…?」

「そう、恋!
美嘉は菊池くんのこと
好きになっちゃったんだよ!」

「えぇ!!?」

わわわわ私が、こ…恋!?
男性恐怖症のこの私が!?

顔が赤くなってる私を見て
沙弥は大笑い。

笑い事じゃないのにー!!

「あ、そうだ。
昨日お見舞いに行ったとき
菊池くんと何かあった?」

「う、うん…」

「え?!何があったの!?」

沙弥は興味深々で私の机に寄りかかってくる。

「多分…好きって言われて…
ディ…ディ…ディープキスというやつをされた…」

沙弥はポカーンとした顔をした。

「それって、もしかして…告白?!
美嘉と菊池くん両思いじゃん!」

「で、でも…涼介はそのこと覚えてなくて…」

「はぁ…。
なんでそんな大事なことを覚えてないのよ~」

「あのあと、また熱が上がったみたいで
多分それが原因で覚えてないんだと思う」

「菊池くん馬鹿だねぇ」

沙弥は大きくため息をついた。

そこへ
涼介が戻ってきた。

「菊池くん!
なんで昨日のこと覚えてな…」

私は沙弥が言い終わる前に手で口をおさえた。