「鈴羅ちゃんは、麗斗の隣に座りなさい。」
『あっ、はい。』


社長さんらしき人にそう言われ、
お兄ちゃんの隣に腰をかける。


わぁ、凄い……。

家にあるソファーと違って、
とっても柔らかい。


「鈴羅ちゃん、初めまして。この事務所の社長である杉原 雅人だ。よろしく。」
『よろしくお願いします。』


杉原社長は昔、かなり有名な俳優だったとお兄ちゃんに聞いたことがある。

お兄ちゃんは良く、杉原社長に演技を教えてもらっていると言っていた。


「実は鈴羅ちゃんにお願いがあるんだ。」
『お願い、ですか?』
「そうだよ。お願いしてもいいかい?」


お兄ちゃんがお世話になっている人なんだから、断れるわけがない。


『はい、もちろんです。』