「西崎斗真。」


西崎斗真?
どこかで聞いたことがあるような気がする……。

でも、誰だっけ?


『西崎さんって、この事務所の方ですか?』


すると彼は目を見開いて、驚いている。


「まさか……、俺達のこと、知らないわけ?」
『すいません……。』


お兄ちゃんの出ているドラマしか見ていない私は、アイドルなどはあまり知らない。


「まぁ、俺達も頑張らねぇとな。それで、俺はこの事務所のやつだけど?」
『あのっ!!兄がいるところまで、私を連れて行ってくれませんか?』


駄目もとでお願いしてみる。
ここで諦めてしまったら、お兄ちゃんが稽古出来なくなっちゃう……!!


「はぁ……、わかった。ただし、麗斗の許可をとってからだ。」
『はい!ありがとうございます!!』