「じゃぁーな!」

皐月たちがいなくなってからも、やっぱりおかしい。何でだ?

「おーい、おーーい。りお?どうしたの?大丈夫?」

「えっ?あ、ごめん。大丈夫だよ?」

嘘。本当は、大丈夫じゃない。でも波留には心配かけたくないし。

「ホントに?顔赤いし、さっき涙目になってたよ?」

う。バレた。絶対誰にもわからないと思っていたんだけどな。

「波留、どうしよう?心臓がおかしい!ここ酸素が少ないよ!私、病気になっちゃたのかな?」

一瞬キョトンとした波留。でも、それはほんの一瞬だった。

「ちょっと待って。りお、心臓がおかしいってどういうこと?それに、ここ酸素少なくなんかないよ!少なかったら、私たち息出来ないから!!」

「………それもそうか。でもでも、心臓が!」

「うん、心臓がどうしたの?」

私は、波留に駿さんが笑ってくれたときにドキッとしたことを話した。すると、波留は

「う~ん。りお、それって恋じゃないかな?」

………は?こ、い?え?………

「え?恋?私が?駿さんに?」

「うん。」

当然とばかりに頷く波留。

「ま、ま、待って!な、無いよ!絶対!相手は先輩だよ!あり得ない!!」

波留が言ったことに全否定する私。

「ないって何で思うの?先輩に恋することだってあるよ!」

そういえば、波留だってついこの間まで他校の先輩に恋してた。先輩に恋する事、あるんだぁ。

「そっか。私、瞬さんに恋したんだ」