「実江ッ……!!!」 空港についた茜が息を切らしながら、私に近づく。 「ごめんっ…。うちの家遠くって…。 飛行機は? 優くんは?」 「……いっちゃった。」 「えっ………!?」 「けど…」 「見送らなくてよかったと思うの。」 ニコッと笑った。 「……。目、腫れてる。はい」 そう言って、私にハンカチを差し出した。 「ありがと…」 「ううん」 「茜…帰ろっか」