「タダじゃ済まねぇぞ。」
「な、なんだ、お前!どうや…グハァァッッッッッ!!!!?」
バタッ
目の前で男の人は倒れた。
家庭教師に殴られたから。
「ふぇっ……。家庭教師ぃ………」
涙がこぼれ落ちる。
怖かった。
すごく怖かった。
「ったく…。お前アホだろ。」
そう言って手錠を外す家庭教師。
いつもみたいなヘラヘラ~って顔じゃなくて、
男の人の顔だった。
「ほら、」
そういって、私の前でしゃがみ背中をこっちに向ける。
「……へ?」
「おぶされってこと。ほら、お前足震えてんじゃん」
「あっ…」
本当だ。足がガタガタ震えている。
いつもなら、絶対乗らないと思うのに。
今は甘えた。
「ありがと…家庭教師…」
ボソッと言った。

