少しだけど、新谷のイメージが俺の中で変わっていて。
苦手だと思っていた頃の自分と比べてみると今は何だか心が晴れたような気がする。
気がするだけかもしれないけど。
「案外悪いやつじゃなかった・・・」
ぽつり、と零した言葉は肌寒い部屋に暖かさを残した。
ブー・・・ブー・・・
ん?
制服から部屋着に着替えてる最中。ふと、ポケットの中で携帯が振動しているのに気づいて、手を突っ込んだ。
メール・・・?
新着メールという字が表示してある所をタップすると、誰から送ってきたものかがわかった。
「・・・新谷」
そう、それは間違いなく新谷 類の表記だった。
驚きと少しの期待で今まで味わったことの無い感情に心を包まれた。

