「羽柴くんってなんだかんだ言って優しいよね♪」
誉め言葉なのかよく分からない一言に、
「俺は優しくなんてないし、自分のことしか考えれない無意味な人間だよ...」
そう、俺は結局生きることになんの意味も感じられない無関心な人間なんだ。
優しさなんて自分には感じられない。
思わず新谷の言葉に空笑いを漏らしそうになった。
「そんなことないよ」
まっすぐだった。
確かに新谷のその時の目はまっすぐに俺を捉えていた。
なんて、この人間はここまで希望を持っているんだろう。
その目を見た瞬間なんともいえない光に包まれたようだった。

