君が教えてくれたこと




「おつかれ♪もう、部活終わったんだね」


新谷の方から話しかけてくれた。


「あぁ。待ってると思って早めに来た」


なんとなく、目を合わせられなくて視線を泳がせながら話す。


そんな俺の言葉に新谷は更に笑顔で、



「待ってないよ!というか、来ないと思ってたから…」



最後の方を苦笑いしながら言った新谷。



「いや、約束は約束だし。俺に損があるわけじゃないし。」



少し寂しげだった新谷を見て、気づけば俺は早口言葉のように『来たかった』ことを照れ隠ししながら話し、徐々に新谷の方に歩みを進めた。