君が教えてくれたこと


―佑樹―



「なんだぁ〜?」



咲良が変だ。


部室を慌てて出ていった咲良に最初は違和感を感じていた奴等も、今は皆忘れて適当に時間を潰している。

だが、しかーし!!


「この佑樹様はお見通しだぞ〜っ!!」


「「佑樹、うるせーよ!!」」



1人興奮して、部室のベンチに片足を乗せて片手を挙げ、叫んだ。


周りの皆はいつものようにツッコミをいれてくれた。


ふっふっふっ…


分かる、分かるぞ!!咲良。

類ちゃんと何やらあるんだろ!?



ニヤニヤと1人まだ興奮冷めやらぬ佑樹に部員達は哀れみの意を込めた視線を送った。