尚も抵抗を試みてみるものの水分補給を済ませた瑞希と睡眠不足のあたしとでは、勝負にならず無理矢理叩き起こされてしまった。

「はい、お姉ちゃん!さっさと下降りて顔洗ってき」

あたしは寝ぼけ眼で不機嫌そうな顔でボサボサの髪の毛を無造作にいじってた。

「お姉ちゃん普通にしとったら美人なのに…大体女子校に行ってて何でそんなに男っぽい性格なん?」

瑞希のキンキン声は頭に響く。

「まだ7時やん…何で、こんな早く起きないかんと?」

「やっぱり…お母さんが昨日言いよったやん。今日お兄ちゃんの一周忌の法要するって」

ああ…そういやそんな事言いよったな

「お姉ちゃん!お兄ちゃんの事忘れとったっちゃないと?」

「忘れる訳無いやん!」

やっと頭がまともになって来た。

「あたしが兄貴の事忘れる訳無かろうが」

「ま…忘れる訳無いよね」

そう言って瑞希は視線をそらした。

その先にあるのは…