「最終的に3分9秒189か…これなら予選は通るやろうけど…」

栄司の顔に不安の色が浮かぶ。

"ホヮーン…"

ピットレーンにピットイン車両を知らせるサイレンの音が響き渡った。

"キキキキーッ"

やっと走り終えたあたしは、みんなの待つピットに辿り着いた。

「タイムどうやった?」

ヘルメットを脱いで開口一番気になるタイムは?

「瑞穂ちゃん予選通過間違いナシだよ」

「クマさん、マジぃ〜?」

あたしがクマさんと抱き合って喜んでたら

「この後の天気次第じゃぬか喜びになるかもしれねぇがな」

栄司は冷静に空を見上げた。