そしていよいよレース前日

慌ただしく準備しながらデビュー戦に向け気持ちの昂ぶりを感じるあたし

兄貴の夢を実現する方法を鈴鹿4時間耐久レースに見据え、これまで突っ走って来た日々を思い出すと胸が熱くなる。

「クマ、機材は全部積んだな?ならカッパと冷蔵庫乗せて行け!残りは米一丸の車、瑞穂は瑞希と特急で移動!」

栄司が矢継ぎ早に指示を出す。

「みんな、頑張ろうね!」

あたしは拳を握りしめてデビュー戦の地オートポリスに向かった。