でも、そう気付いた時はもう遅かった。

もうあたしは、壊れていた。



暴力で人をメチャクチャにする。


暴走したら誰にも止められない。


人の形をした化け物と化していた。



でも、気が付けただけでもよかったのかもしれない。


気付けなかったら一生あの男の道具だったんだから。




あたしはすぐにあの男の元から離れた。

逃げた。逃げた。ずっと逃げた。


だから、その街から“カタナ”は消えた。

徐々にあたしのうわさは無くなっていった。



暴力団たちはあたしに恐れていた。


でも、“カタナ”が消え、安心していた。



それがあたし、“カタナ”のおわり。