「ゆっくり、ゆっくりでいいから、俺のこと好きになってくれない？」
「ーーーっ」
この人は、どうしてこんなに真っ直ぐ私に気持ちをぶつけてくるんだろう…
私はこの人の気持ちに答えていいんだろうか…
そんなことを考えていると、涙が流れ出した。
さっきまで我慢していた、透と未空のこと。今の水草の優しさ。
なんだかぐちゃぐちゃになって、ただただ、私の涙を増やすばかりだった。
そんな私の両手をとり、きゅっと握りしめながら水草は言った。
「久宮さん、無理しなくていいよ。さっきの今じゃ、頭が混乱しちゃってるよね。ごめん、こんな時に告白するつもりじゃなかったんだ…」
そういうと今度は片方の手で私の頭を撫で始めた。
言わせたのは私じゃないか、と言いたくなったが、言えなかった。
