そんな水草くんに、すぐに気が付く透。 「おっ!水草!」 「え?桐上くん?」 まるでたった今透に気が付いたかのように演技をする水草くん。すごい。 「水草、未空みなかったか?」 「立切さん?あ、そういえばあっちに行ったよ」 そう言って私のいる方向とは全然違う方を指す。 「マジか!ありがとな!」 透は水草くんの肩をポンと叩くと、走り去っていった。 透の姿が完全に見えなくなるのを確認してから、水草くんは私の元へ来た。 「もう行ったよ」 「ありがとう…」