あまりの声の大きさに、 「何?」 と不快そうに言うと、 「どうせ晃希でしょ?」 と奈保が返して来た。 「あーそっか…」 晃希、と聞いて私は納得する。 ガララと教室のドアを開ける音が聞こえた。 前の方のドアに目を向けると、 高身長に細い体。 なのにひょろひょろしてなくて、筋肉のついてる足。 サラサラの髪。そしてイケメン。 スポーツ万能、成績優秀、眉目秀麗… まさに学校の王子様にふさわしい人物が入ってきた。