【未空side】
その日の夜に、奈保から電話があった。
ごめんごめんってずっと謝ってたから、私たち親友でしょって言ったら、すごく嬉しそうな声になった。
それから、水草くんと付き合ったことを聞いた。
あの時水草くんが気持ちを伝えたんだな、と思った。よかった…
あの2人なら幸せになれると思う。
水草くんは優しい人だし、奈保も落ち着けば…
そして、今。
「未空!」
私の名前を思いっきり呼ぶ声。
「おはよ、透」
「おうよ!」
2人並んで登校していると、後ろから現れる人影。
「透コラ!」
バシっという音と共に、透のイテっという声が聞こえた。
「いてーな朝からいきなり何すんだよ晃希!」
「朝から見せつけてんじゃねーよバカ!」
「バカはお前だ!」
いつのまにか仲直りをしている2人をみて、私はクスクスと笑った。


