ハツカレ。


あんなのさっさと忘れよう。
あんな最低男子なんか。

「ただいまー」
家に帰り、軽く言う。

台所からひょこっと顔をだしたお母さんが
「おかえりー遅かったね」
と元気に言う。

「ごめんなさい」
今日の出来事は口が滑っても言えない。

階段をあがり自分の部屋にいく。

ガチャっ
バッグをおき、ベッドに勢いよくダイブする。

はあー…
ため息をつく。
今日は散々だった。

――お前が俺に夢中になるくらいにしてやる。

あいつがいった言葉が
頭によぎる。

どうせあんなの
冗談にきまってる。